春告草子「はるつげそうし」


2022年10月02日
               
【脚本】 坪田塁


【あらすじ】

巷で噂の曰く付き女郎屋「かすが屋」。花魁の春音はその美しい容姿を妬まれ、反して人使いも気性も荒いその激情型の性格ゆえに疎まれていた。 そんな春音を花魁の座から引きずり下ろそうと、振袖新造、遣り手、牛太郎らは徒党を組み、廻し制度を悪用しダブルブッキングならぬトリプルもといクワッド(4重)ブッキングを仕込むことを謀る。 持ち前の利かぬ気で「やってのけねば花魁がすたる!」と唯一信頼の置ける姉女郎の冬花とともに意気込む春音だったが、そんな日に限って来る客は皆、一癖も二癖もある変わり者ばかり。 仕舞いには女郎屋に売られる以前、片思いをしていた幼馴染みまで現れて……連鎖につぐ連鎖でまさに前門の虎後門の狼な大波乱が巻き起こる。